「わきが」と「多汗症」は違う「病気」
2025年7月23日
わきがと多汗症
わきの汗が臭いと「わきが」と思われる方が多いようですが、わきの臭いの原因には、「わきが」の他に「多汗症」が原因のことがあります。
「わきが」と「多汗症」は違う「病気」です。
「わきが」は腋臭症という「病気」で、わきの下にあるアポクリン汗腺から出る汗が原因です。
誰でも微量のアポクリン汗が出ていますが、汗の量が多い場合や臭いが強い場合は「病気」として治療が必要になります。
アポクリン汗腺は、わきの下以外に陰部や乳輪の周りにも少数ありますが、わきの下には多数のアポクリン汗腺があります。
アポクリン汗腺から出る汗はわき毛の毛穴から出ますが、ごく微量ですので手で触っても濡れている感じはしません。しかし同じく毛穴から出る皮脂と合わさり、さらに皮膚の常在菌がそれらを分解してムッとするようなすごくいやな臭いになります。暑い寒い関係なく、主にホルモンの影響で出ることが多いです。アポクリン汗腺の汗は、異性を呼び寄せる「フェロモン」だという説が有力です。
「多汗症」はエクリン汗腺から出る汗が多い「病気」です。
誰でも暑いときや緊張したときなどはエクリン汗腺から汗が出ます。エクリン汗腺の汗が多い場合、「病気」として治療の対象になります。
アポクリン汗腺と違い、エクリン汗腺はほぼ全身にあります。
特にわきの下、手のひら、足の裏、背中、頭部から出る汗が多いです。
エクリン汗腺から出る汗は体温を下げる効果があり、暑いときに多量に出ます。
また精神的に緊張したときにたくさん出る方も多いです。大昔の「猿」の時代のなごりで、手のひらや足の裏に汗をかくと木の上での滑り止めになり、敵の動物から逃げるときに役に立ったと思われます。
エクリン汗腺から出る汗は、出てすぐはほとんど臭いはありません。しかし汗をかいてそのままにしておくと、皮膚の表面にいる常在菌により汗が分解され、酸っぱいような汗臭い臭いに変わります。
以上のように、「わきが」と「多汗症」は違う「病気」ですので、まず今の症状がどちらなのかを正確に診断する必要があります。
当院にご来院いただければ、美容外科治療歴30年の院長が的確に診断いたします。